ルドルフ・ゲーラー／湾曲弓によるバッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタパルティータ

ルドルフ・ゲーラー／湾曲弓によるバッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタパルティータ

バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタパルティータ(全6曲) ルドルフ・ゲーラー(vn) 録音:1998年 ライヴ この演奏の一番の特徴は、カーヴド・ボウを使用したところにあります。それはいわゆる古楽器の逆反り弓の湾曲度を大きく超えたもので、通常の弓のように弓の毛の張り具合を回転式のネジで調節するのではなく、可動式のレバーで全く自由に張ったり緩めたりできる構造を取っているものです。弓の毛の緩め具合によって3重音、4重音を出すことが可能になったのです。何故このような弓を考案したかというと、このバッハの無伴奏の曲集の中には3重音、4重音が頻繁に出てきますが、当時の演奏技術では、それらをできるだけ同時に弾こうと乱暴に寸断して演奏するか、上行・下行の落ち着かないアルペジオとして演奏するしかなかったのです。それにいたたまれなくなって真剣に弓の改良に取り組んだのが、何とかの有名なシュヴァイツァーだったのです。シュヴァイツァーはアフリカの赤道直下の国ガボンに生涯を捧げた医学者として知られていますが、神学者、そしてオルガニストとしても活躍したバッハ研究家でもありました。そのシュヴァイツァーが弓の改良に取り組んだのです。気の遠くなるような調査と幾度もの失敗を重ね、実に33年の月日をかけてカーヴド・ボウを完成させたと言います。決してゲテモノとして片づけられるものではなく、バッハへの深い愛情、そして理想の演奏への飽くなき探求心が生んだものと言えるでしょう。実際パルティータの２番のシャコンヌなどを聴きますと、確かに独特のものがあると思います。和音が同時に鳴り響きますので、ヴァイオリンがまるでオルガンのように響きます。ですから和音が続くところは荘厳な雰囲気を感じることができます。一方、和音と速いパッセージが混在するようなところは、毛の張りを調節しながら重音と単音を弾きわけなければならず、どうしてもややもたついたり、表情が付かずに単調に聴こえてしまうきらいがあります。しかし、この録音がライブであることを考えますと、この演奏は大健闘、驚異の完成度です。作曲した当時のバッハの頭の中では、このように同時に和音が鳴っていたのでしょうか。新鮮な響きが体感できる名盤です。 輸入盤【廃盤】11 盤面disc1にすれありますが再生問題無し（試聴確認済） プラケースすれあり ＊まとめ買い値引き致します

ルドルフ・ゲーラー／湾曲弓によるバッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタパルティータ